哲学と技術の対話セミナーシリーズ IV (2021年12月7日)スザンナ・リンドバーグ「ベルナールスティグレールの音楽愛」

スザンナ・リンドバーグ「ベルナールスティグレールの音楽愛」

ユク・ホイとの対話

 

2021年12月7日(火)

12:00 CET / 19:00 HKT / 20:00 JST

オンラインイベント:Zoom にて、登録・参加ください

Facebook のイベントページ:https://www.facebook.com/events/567546601175751/

イベントは英語で行なわれます。

 

今回の「哲学と技術をめぐる対話」のセミナーでは、いまは亡き哲学者ベルナール・スティグレールの音楽への愛や、かれが2002年から2005年にかけて「IRCAM」という有名なフランスの音楽研究所を運営した経験について、スザンナ・リンドバーグ氏に語っていただきます。講演のあとには、ユク・ホイとの対話を行ないます。

 

ベルナール・スティグレールは音楽家でも音楽研究者でもありません。それに、特段音楽的な方法で自身の哲学を「作曲」したわけでもありませんでした。けれども、かれは生涯で二度にわたり音楽にかんする場所とつながりをもちました。一度目はジャズ・バーのオーナーとして、そして二度目はIRCAMのディレクターとしてです。ジャズバーと現代音楽の研究所という組み合わせは、単なる伝記上の偶然なのでしょうか、それとも哲学的な意義をもつ根本的な音楽体験なのでしょうか。一見しただけでは明白でないかもしれませんが、じつは音楽はスティグレールの哲学的思考にとって原初的な推進力となっていました。音楽には、(正確にいうと)より可視的である映画やテレビというテーマと等しい重要性があり、さらにより一層の解放性があったのです。スティグレールにとって音楽は、デリダにとっての「エクリチュール」に匹敵するほどの根本的な哲学的役目をもっています。じっさい、かれは「音楽的欲望の回路」というインタビューのなかで、デリダが「グラマトロジー」の名のもとに研究した問題を音楽の領域で研究してみたいと語ったほどなのです。

 

今回の講演でスザンナ・リンドバーグ氏は、スティグレールが音楽に付与した「発見的特権」を提示します。その特権は、楽器をもつという性質によって音楽がほかの諸芸術とは区別されることに由来します。つまり音楽の領域では、道具化=楽器化のプロセスがごく初期から始まっているだけでなく、「その起源からすでに明白」なのです。また音楽とは、技術と意識の時間との交錯というスティグレールの核となる考えをもっともよく示す実例です。こうした論点にくわえて、リンドバーグ氏は、いかにして音楽の問いが、情動が産業的に生産される時代とされるこんにちのグローバル社会に対するスティグレールの診断を組み立てているかを示します。そして最終的には、いかに音楽がこの時代の特徴をなす、この気が滅入るほどの標準化から抜け出す道をあたえてくれるのかを明らかにしてくれるでしょう。

 

スザンナ・リンドバーグは、オランダ・ライデン大学の大陸哲学の教授。ドイツ観念論、現象学およびフランス現代哲学の専門家。近年の研究では、技術への問いに取り組んでいる。著書に Techniques en philosophie (Hermann, 2020), Le monde défait. L’être au monde aujourd’hui (Hermann, 2016), Heidegger contre Hegel: Les irréconciliables, および Entre Heidegger et Hegel: L’éclosion et vie de l’être (L’Harmattan, 2010) などがある。また、編著に The Ethos of Digital Environments. Technology, Literary Theory and Philosophy (with Hana Roine, forthcoming at Routledge, 2021) や、The End of the World (with Marcia Sá Cavalcante Schuback, Rowman and Littlefield, 2017), Europe Beyond Universalism and Particularism (with Sergei Prozorov and Mika Ojakangas, Palgrave Macmillan, 2014) がある。

 

本連続セミナーについて

「哲学と技術をめぐる対話」は、香港城市大学の支援および「哲学と技術のリサーチネットワーク」の協力のもと、「宇宙技芸的/批評的AI (Cosmotechnics/Critical AI)の研究プロジェクト」によってはじまった連続セミナーです。2021年秋季・2022年春季より、技術哲学の主要な学者による講演やワークショップを行ない、こんにちの哲学やテクノロジーにかんする喫緊の問題を解決することをめざします。

2022年のイベントとしては、アンナ・ロンゴ、ヘンニッヒ・シュミットゲン、アンドリュー・フィーンバーグ、ルチアーナ・パリージらによるセミナーを予定しています。今後のイベントを見逃さないためにも、私たちの Facebook ページのフォローやニュースレターの登録をお願いします。

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