2022年ベルナール・スティグレール記念講演
カール・ミッチャム
テクノロジーの政治哲学——レオ・シュトラウスのあとに
開会の辞:高世名(中国美術学院院長)
司会、コメンテーター:ユク・ホイ
2022年8月5日
20:00-22:00 HKT / 6:00-8:00 MST / 21:00-23:00 JST
イベントはオンラインで行われます。Zoom https://bit.ly/3OXgXI8 よりご登録ください。
Facebook ページ:https://fb.me/e/1FH4RsHYa
エンジニアリングとテクノロジーの哲学は、20世紀半ばに現れたときから、倫理や社会の問題にますます強い関心をもち、概念や認識論、存在論にかかわる有益な分析を提供してきた。他方、分析哲学的であれ現象学的であれ、いずれの学派でも政治哲学はさほど突出した問題とはなっていない。本講演では、(何かと議論を呼びはするが)20世紀でもっとも重要な政治哲学者のひとりであるレオ・シュトラウスの思想をもちいて、ある種独特なテクノロジーの政治哲学を探究したい。今回の目的は、シュトラウスの精妙で魅力的なテクストの数々に対し、膨大な文献の解説や解釈、議論をすることではない。むしろ、自分の読解がかれの意図に完全に忠実であるかを過度に気にすることなく、いくつかピックアップした側面から刺激を受けられるようにすることである。そして今回の仮説は、シュトラウスの思想が、エンジニアリングとテクノロジーにかんする政治的な言説のなかで見落とされているものを見出す助けになるのではないか、というものだ。
【講演者について】
カール・ミッチャムは、エンジニアリングとテクノロジーの哲学者。コロラド鉱山大学の人文学、芸術、社会科学の名誉教授、中国人民大学国際客員教授(技術哲学)。科学、テクノロジー、エンジニアリングの哲学と倫理を中心に仕事を行う。著書に Oxford Handbook of Interdisciplinarity (Robert Frodeman、Julie Thompson Klein との共著、2010)、Ethics and Science: An Introduction (Adam Briggle との共著、2012)、および Steps Toward a Philosophy of Engineering: Historico-Philosophical and Critical Essays (2020)。「哲学と技術のための社会」(SPT、1976)の創設にかかわり、アメリカ科学振興協会の「科学における自由と責任のための委員会」のメンバーをつとめた(1994-2000年)。2010年、スペイン・バレンシア国際大学より名誉博士号授与。受賞歴に Abbot Payson Usher Prize of the Society for the History of Technology (1973)、International World Technology Network (WTN) award for Ethics (2006) がある。
【本記念講演について】
「ベルナール・スティグレール記念講演」は2021年、この著名なフランスの哲学者の没後一年の日に「哲学と技術のリサーチネットワーク」により創設された。スティグレール氏が2015年から2019年にかけて客員教授をつとめた杭州の中国美術学院の協力により、毎年一回開催される。本記念講演では、スティグレール氏の仕事と遺産をしのび、さまざまな学者による講演を行う。