ベルナール・スティグレール メモリアル・レクチャー 2025

7月 14, 2025

石田英敬(いしだ・ひでたか)
夜のなかで、われわれはいかにして歩みつづけることができるのか?
――
ベルナール・スティグレールのために

司会・討論者:ユク・ホイ

日時:202585日(火)
香港時間 20東京時間 21オーストラリア東部時間 22中央ヨーロッパ夏時間 14

オンラインイベント(要事前登録): http://bit.ly/44MwRin

 

夜のなかで、われわれはいかにして歩みつづけることができるのか?

――ベルナール・スティグレールのために

いま私たちは、ベルナールが予見していた「野蛮の内破」(この表現はフェリックス・ガタリから借用された)を目の当たりにしている。
危機は深く、夜はますます濃くなっている。

私たちは、彼の不在をこれまで以上に強く感じている――
私たちにこの危機を絶えず警告しつづけていた彼の不在を。

私たちは問いを再開し継続しなければならない――。
ベルナールが発した問いに立ち返り、それに応答すること――Rückfragen(遡り問い返すべき問い)として。
そしてそれを、彼が教えたあの特異な「イディオテクスト的」なやり方で行わねばならない。

散らばり異なった世界の地平のそれぞれから、もう一度、彼の問いにたどりつこうとしよう――
この危機のファルマコロジーを、フロイトの一世紀後に、さらに深く掘り下げることで。

前夜には、満月が出ていた。
きみはその月を、見ただろうか?

絶対は外部に、月は、時間の彼方に存在するだろう:
彼は、私たちに向かって幕を引き上げるだろう。
――ステファヌ・マラルメ『イジチュール』

 

講演者:

石田英敬(いしだ・ひでたか)
1953年生まれ。
フランス文学者、哲学者、記号学者。

東京大学およびパリ大学でフランス文学と人文科学を学び、パリ=ナンテール大学(パリ第10大学)で人文科学博士号(Ph.D.)を取得。
東京大学名誉教授。アジア記号学国際学会名誉会長。
現在はオンライン講義プラットフォーム「シラス」にて「石田英敬の現代思想教室」を主宰(https://shirasu.io/c/igitur)。

同志社大学・東京大学での准教授を経て、1996年から2019年まで東京大学大学院情報学環教授を務める。
同期間中、情報学環長、東京大学附属図書館副館長などを歴任。

また、パリ第8大学および第7大学にて客員教授を務め、フランス・国際哲学コレージュ(CIP)のプログラム・ディレクターを担当。

主な著書:

  • 『記号の知/メディアの知』(東京大学出版会、2003)
  • 『現代思想の教科書』(筑摩書房、2010)
  • 『自分と未来のつくり方:情報産業社会を生きる』(岩波書店、2010)
  • 『大人のためのメディア論講義』(筑摩書房、2016)
  • 『新・記号論 脳とメディアの出会うとき』(共著・東浩紀、ゲンロン、2019)
  • 『記号論講義』(筑摩書房、2020)

また、ミシェル・フーコー『思考集成』(全10巻、1998–2002、筑摩書房)の日本語版編集、
ベルナール・スティグレール『技術と時間』(全3巻、2009–2013、法政大学出版局)の共訳(西兼志との共訳)なども行う。

司会/討論者:

ユク・ホイ(Yuk Hui
エラスムス大学ロッテルダム 哲学教授(人間の条件講座)。
同大学にて「哲学とテクノロジー研究所(EIPT)」を創設・所長を務める。

香港大学でコンピュータ工学を、ロンドン・ゴールドスミスカレッジで哲学を学び、
博士論文はベルナール・スティグレール(1952–2020)の指導のもと執筆。
ドイツ・リューネブルクのルファナ大学にてアビリタシオン(教授資格)を取得。

現在、バーグルーエン哲学・文化賞の審査委員長、および「哲学とテクノロジー研究ネットワーク」の主宰も務める。

著書多数で、十数か国語に翻訳されており、近著に
『機械と主権(Machine and Sovereignty)』(2024
『ポスト・ヨーロッパ(Post-Europe)』(2024 などがある。

 

 

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